2017

1 展覧会について
展覧会:「ファルマコン:医療とエコロジーのアートによる芸術的感化」
Pharmakon: Medical-ecological approaches for artistic sensibilization

企画:大久保美紀
共催:特定非営利活動法人キャズ
協力:The Terminal Kyoto、京都大学こころの未来研究センター
助成:ポーラ美術振興財団、朝日新聞文化財団

会場・日時:
ターミナル京都(2017年12月1日~23日): 〒600‐8445京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424
CAS(2017年12月2日~23日): 〒556-0016 大阪府大阪市浪速区浪速区元町1丁目2番25号 A.I.R. 1963 3階

オープニング・レセプション
京都会場・大阪会場におきまして、各オープニングの日、アーティストを交えてレセプションを行ないます。フランスから参加のアーティスト達にとっては初めての日本での展示となります。ぜひお越し下さい。
京都会場:2017/12/1  ターミナル京都 18時~21時 参加無料
大阪会場:2017/12/2  CAS 16時~ 参加500円(16時からアーティストトーク、終了後レセプションを行います)

キュレーション:大久保美紀
アーティスト:Evor, florian gadenne, Anne-Sophie Yacono, Jérémy Segard, 石井友人, 犬丸暁, 大久保美紀, 田中美帆, 堀園実

<展覧会について>
展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーアートによる芸術的感化」(Pharmakon : Medical and ecological approaches for artistic sensibilization )は、フランスより5名のアーティストを招き、日本で活躍する3名のアーティストとキュレータ自身を含める9名の作家からなる現代アートのグループ展です。本展覧会は、ターミナル京都(12月1日オープニング)、および特定非営利活動法人キャズ(CAS、12月2日オープニング)にて12月23日まで開催いたします。

本展覧会「ファルマコン」は、今日の芸術表現が有用性や存在意義を厳しく求められている社会的状況の中で、アートという手段によってこそ実現することのできる社会問題・環境問題への対峙と、芸術表現を通じて他領域への問題提起すること、その意識化の可能性を模索することをめざしています。とりわけ、自然環境と人間の営みの相互的関係や、自然の一部としての人間にとっての先端医療や科学技術の持つべき意味について、芸術的アプローチを介して丁寧に見つめ直すための新しいパースペクティブを提案したいと考えます。

薬理学の語源であるギリシャ語ファルマコン(Pharmakon=φάρμακον, Greek)は、「薬」=「毒」の両面的意味を併せ持つ興味深い概念です。本展覧会のタイトルとしての「ファルマコン」は、治療薬やドラッグ(remèdes, drogues)を意味すると同時に、染色剤や化粧品などの毒性のあるもの(poisons)を意味するこの言葉の語源に沿って、病が肉体に定着する以前に行なわれる不適切な行為(投薬など)が却って状況を悪化させる可能性を喚起しながら、身体の自然治癒能力と環境へのコミットメントのあり方を巡り、身体のより健全な生き方について考えるようわたしたちを導いてくれるでしょう。さらには、芸術表現は、特定のメッセージとして放たれ、個人や共同体や社会に深く享受されたとき、それがひょっとしてある既存の体制にとってラディカルなものであったとしても、将来の生活や環境に現在のあり方を改善し、それをより好ましい傾向へ向かわせるものとして、つまり「毒=薬」としてふるまうことに着目します。

本展覧会が、芸術領域、専門領域、鑑賞体験という個別のフィールドを超え、それぞれを有機的に結びつけながらダイナミックな対話を生み出す「感化的芸術」(Artistic sensibilization)の機会となるよう願っています。

2 みどころ・作品紹介
 Terminal Kyotoでは、参加アーティスト9名の作品を町家の一階、二階および二つの地下室を利用してお見せします。CASでは、展覧会「ファルマコン」の参加メンバーより6名のアーティストの作品をご紹介します。

 エヴォー(Evor)はミクロとマクロのパースペクティブを巧みに操り、絵画「Nymphe」(ニンフ)において、世界を構成するパーティクル(粒)が化学反応を経験しながら変異を経験していく様子、あるいはまた、我々の認識の届かないところにある銀河の営みや新しい宇宙の生成といった果てしないヴィジョンを想像させます。とくに、ターミナル京都の地下室に広がる彫刻のインスタレーション「Nourritures célestes」(星座的食糧)は、フランスで病院における長期レジデンスが着想源となっている、病院食を配膳するのに使われるプレートを鋳型とした石膏に施されたミクストメディアの絵画の集合です。それらが暗闇で浮かび上がる様子は、食糧が我々の体内に取り込まれ吸収されるミクロ世界の出来事が、象徴的に宇宙や星座といったマクロ的世界と重ね合わされるようです。

 フロリアン・ガデン(florian gadenn)は、高さ2m×幅1.5mの巨大なドローイング「cellule babélienne clone」とライプニッツのモナド論にインスピレーションを受けた生物彫刻「monades」を展示します。「cellule babélienne – clone」は、ガデンの重要な主題である<バベルの塔的細胞>のシリーズの一つで、核、ゴルジ体、葉緑体、ミトコンドリアなど植物細胞の構成体が一つの塔のような建造物を築く様を描き出します。異なるエレメントが互いに関連し新たな生命として生まれ直すようにも解釈できる<バベルの塔的細胞>は、異言語を話す人類や多様な外見を持つ生物は大変異なって見える一方、あらゆる真核生物は遺伝子のコード(塩基配列)レベルではかなりの部分が共通であるという事実を浮き彫りにします。繭のような形をした彫刻には菌床あるいは発芽する種子が秘められており、互いに独立を保ちながら予定調和する世界を象徴しています。レセプション当日庭で行われるパフォーマンスもどうぞお楽しみに。

 アンヌ=ソフィ・ヤコノ(Anne-Sophie Yacono)「L’océan de Chatteland」(女性器の帝国)という独自の世界を展開し、リトグラフィ、ドローイング、絵画、彫刻、多様なメディアを用いてこの世界観を体現しつづけています。男性器の集合のように描き出される世界は、奇妙にもいわゆる「女性的な」ヤコノ独特の色調で彩色されています。性差と社会におけるその役割、女性器と男性器からなる世界のその解釈はときにマッチョな世界へのラディカルな批判と暴力性を含みます。作品には、混沌として争いの絶えない世界の中で生き延びるすべを探し求める生命体のうごめきが見て取れるでしょう。本展覧会で世界初公開となる3メートルの巨大ドローイング「」をお楽しみに。

 ジェレミー・セガール(Jérémy Segard)が大阪会場で展示するデッサン「Vivre ou vivre mieux ?」(生きる、よりよく生きる?)は、近年着目の集まっているパーソナライズド・メディシン(個人化された医療:投薬や治療による副作用、望まない効果をできるだけ避け、個人の状態により対応した治療を行うことを目的とし、癌治療を中心に導入が進む)へ問題提起します。京都会場では、一連のドローイングを通じて、医療の現場における我々の身体のありかた、物質であり非物質である我々自身は、他者や社会、外界との関係をどう築くのかに着目します。京都で行うパフォーマンスの奇跡、ヨーゼフ・ボイスに強い影響を受けているセガールの社会的彫刻の実践のひとつといえる陶器彫刻もご覧ください。

 犬丸暁は、紙にルーペを使って太陽光による焼き付けを行うという独特の手法で、可視的な世界の外側にある不可視の世界を浮かび上がらせようとします。植物や身体をテーマとする犬丸の関心は、見えないエネルギーを集め、それが紙を焦がせ、穴を開け、可視的イメージをも消しさってしまうことで現前していたヴィジョンを異化してしまいます。犬丸暁は、パリ・ルーアンを拠点にフランスやヨーロッパで活躍、今回展覧会「ファルマコン」でお目にかける高さ110cm、145cmの大きな作品は特に日本で初公開となります。

 石井友人は、2点の新作と作家がパリ滞在中に製作した作品合わせて3点を出展します。「At the Tama hillside」および、「My town」は、団地(多摩ニュータウン)出身の作家自身のアイデンティティあるいは「団地育ち」という世代的アイデンティティに着目します。日本の戦後の都市開発を象徴する「団地/ニュータウン」は、個人と社会や、人間と自然環境、人と物など、われわれと様々な対象における関係性を根本的に変化させました。それらの映像は、ふだんは石井個人の生活空間に置かれた観葉植物の鉢植えをチャンネルとしながら、都市生活の身体について考えさせます。

 大久保美紀のインスタレーションは、わたしたちが日々取り巻かれている異なった「撞着状態」に着目します。病状を改善し、病気を治癒させるために行われる投薬や治療がしばしばサイド・エフェクト(副作用)をともない、それが甘んじて受け入れられている現状や、薬でもないのに具体的効果を発揮するプラセド効果をめぐる奇妙さ。あるいはまた、本来は「買いたい欲求」を刺激する目的で行われるCMがしばしば法律や倫理的理由などから購買者を辟易させるために使われる矛盾した状況など。本展覧会では4点:「撞着するタンス」、「プラセボ候補」、「要らない効果」、「ほしくないためのCM」を展示します。

 田中美帆は、展覧会「ファルマコン」にて新作となる作品「ゆっくりもちあがるテント」を発表いたします。環境と自己との関係性や、社会と個人のありかた、生き方の異なる生物間のありうる対話など、近年とりわけ植物を介したアプローチを発展させる作家の新作にご着目ください。

 堀園実の彫刻は、奇跡として世界に留まらなかったはずの身体性や生命の記憶を石膏に記憶させることで時空間に宙づりにする挑戦といえます。ネガティブーポジティブのシリーズは、出来事が記録/記憶されるときそこには常に相補的な関係があることを可視化します。ネガとポジの彫刻において、堀は造形への自己介入を最小限にし、写真においては<明暗の反転>であるネガとポジの関係性を<雄型と雌型>に置き換えています。あらゆる無駄を省いて最小限の努力とコストで最大の結果を得ることを求められる現代の都会的生活において道端の石ころは見向きもされず、生活空間において着目されることも、その意味を語られることもありません。堀の彫刻は、その無意味なモノに着目し「ポートレート」することで「無意味な状態を解体」する試みと言えます。

3 プレスリリース
展覧会「ファルマコンー医療とエコロジーのアートによる芸術的感化」(2017年12月、京都・大阪)のプレスリリースver.11/27はこちらよりダウンロードください。
プレスリリース_jp_27112017_compressed

4 アーティスト紹介
FRENCH ARTISTS
Jérémy Segard/ジェレミー・セガール
美術家。ナント美術大学(ESBANM)卒、芸術修士。ナント(フランス)にて制作。パリ、ナントを中心にフランスにおける展覧会に多数参加。近年は、2016年5月〜7月、Vivre, ou vivre mieux ?をLa Conserverieにて展示。同展覧会中、カンファレンスを企画実施。 « Vivre ou vivre mieux ? » を出版(大久保美紀との共著)。伝染病に関わる研究と芸術的アプローチの有用性を模索するプロジェクト « Expérimentation en culture scientifique sur les maladies infectieuses »(伝染病にかんする文化—科学的実験)主催者。Geoffroy Terrier, Florian Gadenne, Evor, Sylvieら多領域に渡るアーティストと恊働し、展覧会を企画・実施。
website : http://jeremy-segard.com

Florian Gadenne/フロリアン・ガデン
1987年仏生まれ。美術家。2013年ナント美術大学(ESBANM)卒、芸術修士。サヴィニー・シュル・オルジュ(パリ郊外)にて制作。パリ、ナントを中心にヨーロッパにおける展覧会に多数参加。近年は、Château de Oironにおける子どもアトリエ“ Expériences Hasardeuses”(「偶然的経験」、2016年)、植物/無機物/有機物の相互的関係を科学的に考察する実験的作品を多数発表。芸術と科学の領域横断的研究、とりわけ、バイオロジー、環境の生態系に及ぼす影響が主要テーマ。物や生物に蓄積される記憶や物理的刻印に関するプロジェクト“ Objets cultes ”など長期に渡るプロジェクト多数。2016年第三回PARISARTISTESにノミネート、パリ東駅横Couvent des Recolletsにおいて “ Cellule babélienne”を展示。動植物と我々の関係を再考するアトリエやワークショップを子供と大人に向けて数多く実践している。
website : http://floriangadennecom.over-blog.com

Evor/エヴォー
2000年、ナント芸術大学大学院造形芸術専修終了。フランス内外で個展、グループ展多数。アーティストレジデンス多数。主な個展に « Caprices » (galerie 5、アンジェ、フランス、2014年)、« Mascarade New York »(Le Petit Versaille、ニューヨーク、アメリカ)、グループ展に « Art Paris art fair »(Le Grand Palais、パリ、2013年) « Talents à la carte »(Salon Maison & objets、パリ、2013年)等。主なレジデンスに、病院内レジデンスを通じて作品Nourritures célestes (2013)着想のきっかけとなった、« Résidence de création au CHU d’Angers »(アンジェ大学病院、アンジェ、フランス)等がある。ナント芸術大学で非常勤として教えるなど教育に携わるほか、展覧会企画も行なう。
website : http://www.evor.fr

Anne-Sophie Yacono/アンヌ=ソフィー・ヤコノ
1987年仏生まれ。美術家。2013年ナント美術大学(ESBANM)卒、芸術修士。2014年第59回サロン・ド・モンルージュにノミネートされる。絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、多岐にわたるメディウムを操り、フェミニズムともクイア論者とも限定を免れる鋭いパースペクティブで鑑賞者をハッとさせる作品を発表する。とりわけ、「シャトランド」(Chatteland)は彼女の製作に手法を変えながらも繰り返されるテーマであり、モチーフである。ヤコノはキュレータとしても活躍しており、主な展覧会に、Décongélations prématurées (2013)、Color pit (2017)などがある。
website : http://www.reseaux-artistes.fr/dossiers/anne-sophie-yacono

JAPANESE ARTISTS

Sonomi Hori/堀園実
1985年生まれ。沖縄県立芸術大学大学院彫刻専修修了。平成28年度文化庁新進芸術家海外研修制度美術1年研修でパリに派遣され、滞在・制作を行なう。主な展覧会に、個展「ことばとは」(ガレリア・グラフィカbis、東京、2010年)、「EMPTY SPOTは脳の中」(CAMP TALGANIE artistic farm、沖縄)等。2017年には、滞在中のシテ・デ・ザールにおけるオープンスタジオで下記作品Negative – positiveを発表し、注目を集める。「彫刻的なものの捉え方」を探求し、表現素材としてのメディアの変遷と、人々のコミュニケーションの変容や独自性をもつ統一体の「個」の捉え方に着目し、身体意識に訴える彫刻を制作する。身体と環境の境界である皮膚や容れ物としての肉体に関して象徴的に解釈する表現を追求する。本展覧会では、ネガティブ-ポジティブのコンセプトを引き継ぎ、石をメディアとして自然物のポートレートに挑む。

Miho Tanaka/ 田中美帆
1990年京都市生まれ。2017年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。龍野アートプロジェクト2016国際芸術祭「時空の共振」内大学生との協働推進事業で作家に選出され旧脇坂屋敷で展示を行う。素材や方法を鋭い感性を通じて研究し、絵画と彫刻を越境する表現を行う。在学時より、炉端や大学敷地内に「庭」とみなす環境を観察し、働きかけ、対話するような行為を実践するなど、植物をはじめとする「自己を取り巻くもの」との関係性を探り、その身体への波及や環境への還元に注意を向けている。

Tomohito Ishii/ 石井友人
1981年、東京都生まれ。多摩ニュータウン育ち。現在東京都足立区在住。美術家。
2006年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
絵画を主な表現手段としながら複合的な形式で作品を発表している。主な個展に「未来の家」(Maki Fine Arts、2017)、「『複合回路』ー認識の境界」(Gallely αM、2011)。主な展覧会に「グレーター台北ビエンナーレ」(NTUA、2016)、引込線2015(旧所沢市第二学校給食センター、2015)、「わたしの穴 美術の穴」(Space23℃、2015)、「新朦朧主義 2」(Red Tory Museum of ContemporaryArt, Guangzhou、2015)、「大和コレクション Ⅶ」(沖縄県立博物館・美術館、2015)、「パープルーム大学Ⅱ」(熊本市現代美術館、2014)。
website : https://www.tomohitoishii.com

5 会期中関連イベント
<シンポジウム>:展覧会「ファルマコン:医療—エコロジーアートによる芸術的感化」
–ファルマコンとしての芸術行為再考–

日時:2017年12月1日14時–18時
会場:ターミナル京都
〒600-8445 京都府京都市 下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424

スピーカー:
吉岡洋
加藤有希子
大久保美紀
ジェレミー・セガール
エヴォー
フロリアン・ガデン

<プログラム>
14 :00-14 :30 大久保美紀
導入「ファルマコンとしての芸術実践」
14:30-15:00 ジェレミー・セガール:活動報告1(通訳:大久保美紀)
「器と蛇:アレルギー研究における清潔概念」
15:00-15 :30 エヴォー:活動報告2(通訳:大久保美紀)
「医療機関における芸術実践、病院レジデンス制作」
15:30-16:00 フロリアン・ガデン:活動報告3(通訳:大久保美紀)
「現代的エコロジーと芸術表現」
16:00-17:00 加藤有希子
「新印象派のファルマコンーあるいは新しい時代の幕開け」
17:00-17:20 吉岡洋
「ファルマコンとしての芸術行為再考」
17:20-18:00 ラウンドテーブル(吉岡洋、加藤有希子、大久保美紀、ジェレミー・セガール、エヴォー、フロリアン・ガデン、通訳:大久保美紀)

★参加申し込み不要、参加自由
★問い合わせ先:garcone_mk(@)yahoo.co.jp, 企画者まで
★18時より同会場にて展覧会「ファルマコン:エコロジー–医療の芸術的感化」レセプションがあります。

Program download here: <シンポジウム>compressed

ワークショップ:2017年12月18日15時からターミナルキョウトで、ワークショップ”nanimo nai demo nanika aru”の活動報告会を行います!参加者・提案者・協働者からの報告、ディスカッションを行います。どなたでも参加していただけます、ぜひお越しください!よろしくお願いいたします。

workshop 参加募集 20171101 pub 1
workshop 参加募集 20171101 pub 2

PDFファイルは、ここからダウンロードください。
workshop 参加募集 20171101 pub

展覧会「ファルマコン」の会期(2017.12.1-12.23)周辺で、京都崇仁地区にてワークショップ<なにもない、でもなにかある>(nani mo nai, demo nanika aru, quand il n’y a rien, il y a quand-même quelque chose)を実施します。

公開ワークショップ
“nanimo nai, demo nanika aru”
ー新しいエコロジーと環境(milieu/environnement)の記憶を考えるー

提案:フロリアン・ガデン(アーティスト) & 大久保美紀(コーディネータ)
恊働:山内朋樹 & 田中美帆
「大学の知」を活かした多角的な市政研究事業
[ 研究事業名 ] iCulture コンセプトに基づくまちづくりの新たな展開

参加条件なし、参加無料(要申し込み)。
お問い合わせ・参加申し込みは、大久保美紀(garcone_mk(@)yahoo.co.jp)まで。
インフォメーションは随時 http://www.mrexhibition.net/wp_mimi/?p=5208 あるいは、ウェブサイト<miki okubo, art-écriture-esthétique>内に更新します。
ワークショップを通じて制作した作品は、12月1日〜23日までターミナル京都およびCASにて開催中の展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーのアートの芸術的感化」の京都会場に展示予定です。

<スケジュール>
11月23日15時ー17時
第一回ミーティング、崇仁小学校前集合。

12月15日ー17日(参加者の都合により調整)
展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーの芸術的感化」京都会場のターミナル京都に作品搬入。

12月18日15時ー17時
活動報告会(展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーの芸術的感化」京都会場のターミナル京都にて、活動報告と講演・ディスカッション。

<ワークショップについて>
本ワークショップ「nanimo nai, demo nanika aru」は、今日の私たちの生活における身体と環境のあり方に着目し、現代の都市生活や現代社会を生きる私たちの「生」により深く寄り添う新しいエコロジーを再考することを目指す展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーの芸術的感化」の関連ワークショップです。ワークショップでは、実施会場となる崇仁地区において「環境の記憶」をテーマに、様々な手段でこれを抽出/観察/培養/保存することを通じて、しばしば失われかけている環境とのコンタクトについて参加者と共に再考します。参加者はグループワークあるいは個別にアクションを提案し、11月23日の第一回ミーティング以降、都合に合わせてアーティストと協働し、制作を進めていきます。どなたでも参加できます。ぜひ参加してみてください。

<お問い合わせ・参加申し込み>
お問い合わせ・参加申し込みは、コーディネータの大久保美紀
(garcone_mk(@)yahoo.co.jpまでご連絡ください。

フロリアン・ガデン (florian gadenne)
1987年パリ生まれ。ナント市美術大学修士修了後、パリ郊外で制作。主な展覧会に、”L’UN L’AUTRE”(2016)、個展”monade”(2017、テルドン、フランス)があるほか、子どもワークショップ実施多数。第三回展覧会パリアーティストにドローイング”tour babélienne”でノミネート。植物、菌類、昆虫など生き物が共生する彫刻作品と錬金術的手法とメタファーによるポエジーを追求する。⇨フロリアン・ガデンのwebsite

大久保美紀 (miki okubo)
1984年札幌生まれ。京都大学大学院人間環境学研究科修士修了およびパリ第8大学造形芸術学部で芸術博士号取得。現在同大学講師。主著は”Exposition de soi à l’époque mobile/liquide” (『可動性と流動性の時代の自己表象』)。2015年より医療とエコロジーの芸術実践に取り組み、批評とキュレーションを行なう。

山内朋樹 (tomoki yamauchi)
1978年兵庫県生まれ。京都教育大学美術科講師・庭師。庭師ジル・クレマンを軸に庭やランドスケープの思想と実践を研究。芸術活動に《地衣類の庭》(第8回恵比寿映像祭、2016年)、訳書にクレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。

田中美帆 (miho tanaka)
1990年京都市生まれ。2017年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。

<展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーの芸術的感化」>
京都・大阪同時開催のフランス×日本のアーティスト8名(Evor, florian gadenne, Anne-Sophie Yacono, Jérémy Segard, 石井友人, 犬丸晃, 大久保美紀, 田中美帆, 堀園美)によるグループ展です。

The Terminal KYOTO(2017年12月1日~23日)
京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424
CAS(2017年12月2日~23日)
大阪府大阪市浪速区浪速区元町1丁目2番25号 A.I.R. 1963 3階

6 展覧会の様子
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